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辛いモノには毒がある! [病気]

昨日の早朝、腰に激痛が走り目が覚めた。

それは、生まれて以来体験した事のない痛みで、寝ても起きてもどうしようもなかった。

少しの尿意でトイレに立ったが、黒ウーロン茶の様な色をした尿は正露丸の様な匂いをしていた。
激痛はそれを境にますます激しくなり、とっさに長男に対し遺言らしき言葉を発したらしい。あまりに我慢できないため、救急病院に行こうと決意。幸い自宅から5分の距離に急患受付の総合病院があり、紹介状もない身で車に乗り込んだ。

”あなたの知らない体の秘密”的な番組で、再現VTRの主人公は毎日の痛みを我慢し、ある日突然に意識を失い入院する。目を覚ました傍らには家族が心配そうな面持ちで主人公を見つめていた。恐ろしい病魔を告知された家族は、その事を主人公に悟られまいとかたくなに・・・・。

車中、悲劇のドラマを想像しながら、朝日を浴びた病院に到着し、誰もいない受付に腰掛けると中から一人の男性が現れた。

「どうされました?」

私は少し大袈裟に症状を訴え、問診票にその旨書き添えた。案の定、紹介状の有無を聞かれたがあまりの表情に彼も仕方なしに業務を進めたようだ。

その後、受付の男性の指示で血圧を測り、看護師さんから検尿カップを渡されたその時、朝の”黒ウーロン”の小便から何分も経っていない事に気付き、自動販売機の天然水ボタンを押したのは言うまでもない。

座ると痛い。歩くと痛い。尿が出ない。でも、いきむと痛い。ほんでもって痛い。またまた痛い。ウンコもしたいけど出ない。あーやっぱり痛い。痛いの2乗。それの倍、さらに倍。

とっさに患部をさする事を思いつき10分ほどのハンドパワーを送った。するとあれほど痛かった患部が嘘の様に無くなり、紙コップを持ってMISSIONをクリアーすべくトイレに駆け込んだ。

ビールやコーヒーを飲むとこの体のどこからと思うほど尿が出るが、この時ばかりは”朝の一番絞り黒ウーロン”を悔やんだ。

40分、50分尿意を待ち、やがて一時間ほど経った頃、黒ウーロンは”ほうじ茶”色に生まれ変り紙コップに勢い良く流れ出た。

『これで、診察してもらえる』と思い、検尿コップを検査窓口に置くと8人程の急患はすでに処置を終え、私だけの診察待ちだった。

ものの2分くらいで看護師さんの呼び出しで診察室に通され、これから行われる告知に少しの願いを込め今までにない挨拶を深くした。
私はこれからされる最悪の告知に対し、軽くなる様に症状を少しはしょって話を始めた。
ウンウンと主治医はうなずき、患部を軽くたたき出した。

主治医「痛くないですか?」

私「べつに・・・。」

スキャンダラスな某女優みたく答えてしまった私は、ハンドパワーで無くなった痛みの経緯を主治医に説明した。

と、心の準備が無いまま、間髪入れず彼は宣告した。尿道結石です。

私の妄想は頭の中でガラガラと砕け、喜びのあまりに説明を聞く返事は事の他、大きかった様に記憶している。

塩分の摂りすぎ、テニス後のビールの飲みすぎや食事の不規則、などが原因らしい。症状が重い患者の場合一晩中苦しむという事だ。

あれほど苦しんだ痛みはどこかに消え去り、1個の座薬と3錠の飲み薬を投与してもらい、あっけない結末を土産にエンジンのキィーを回した。診察・薬代1850円なり。

帰宅すると、約2時間の診察時間はさすがに心配になったらしく、妻の声がいつに無くやさしかった。正直、このままずっと続けばいいと思った。

病状と元気な言葉を聞いて、妻はしばらくして豹変した。

「午後から買い物に行くから運転して。晩御飯はカレー鍋!」

「あかんて!」
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辛いモノには毒がある! [病気]

昨日の早朝、腰に激痛が走り目が覚めた。

それは、生まれて以来体験した事のない痛みで、寝ても起きてもどうしようもなかった。

少しの尿意でトイレに立ったが、黒ウーロン茶の様な色をした尿は正露丸の様な匂いをしていた。
激痛はそれを境にますます激しくなり、とっさに長男に対し遺言らしき言葉を発したらしい。あまりに我慢できないため、救急病院に行こうと決意。幸い自宅から5分の距離に急患受付の総合病院があり、紹介状もない身で車に乗り込んだ。

”あなたの知らない体の秘密”的な番組で、再現VTRの主人公は毎日の痛みを我慢し、ある日突然に意識を失い入院する。目を覚ました傍らには家族が心配そうな面持ちで主人公を見つめていた。恐ろしい病魔を告知された家族は、その事を主人公に悟られまいとかたくなに・・・・。

車中、悲劇のドラマを想像しながら、朝日を浴びた病院に到着し、誰もいない受付に腰掛けると中から一人の男性が現れた。

「どうされました?」

私は少し大袈裟に症状を訴え、問診票にその旨書き添えた。案の定、紹介状の有無を聞かれたがあまりの表情に彼も仕方なしに業務を進めたようだ。

その後、受付の男性の指示で血圧を測り、看護師さんから検尿カップを渡されたその時、朝の”黒ウーロン”の小便から何分も経っていない事に気付き、自動販売機の天然水ボタンを押したのは言うまでもない。

座ると痛い。歩くと痛い。尿が出ない。でも、いきむと痛い。ほんでもって痛い。またまた痛い。ウンコもしたいけど出ない。あーやっぱり痛い。痛いの2乗。それの倍、さらに倍。

とっさに患部をさする事を思いつき10分ほどのハンドパワーを送った。するとあれほど痛かった患部が嘘の様に無くなり、紙コップを持ってMISSIONをクリアーすべくトイレに駆け込んだ。

ビールやコーヒーを飲むとこの体のどこからと思うほど尿が出るが、この時ばかりは”朝の一番絞り黒ウーロン”を悔やんだ。

40分、50分尿意を待ち、やがて一時間ほど経った頃、黒ウーロンは”ほうじ茶”色に生まれ変り紙コップに勢い良く流れ出た。

『これで、診察してもらえる』と思い、検尿コップを検査窓口に置くと8人程の急患はすでに処置を終え、私だけの診察待ちだった。

ものの2分くらいで看護師さんの呼び出しで診察室に通され、これから行われる告知に少しの願いを込め今までにない挨拶を深くした。
私はこれからされる最悪の告知に対し、軽くなる様に症状を少しはしょって話を始めた。
ウンウンと主治医はうなずき、患部を軽くたたき出した。

主治医「痛くないですか?」

私「べつに・・・。」

スキャンダラスな某女優みたく答えてしまった私は、ハンドパワーで無くなった痛みの経緯を主治医に説明した。

と、心の準備が無いまま、間髪入れず彼は宣告した。尿道結石です。

私の妄想は頭の中でガラガラと砕け、喜びのあまりに説明を聞く返事は事の他、大きかった様に記憶している。

塩分の摂りすぎ、テニス後のビールの飲みすぎや食事の不規則、などが原因らしい。症状が重い患者の場合一晩中苦しむという事だ。

あれほど苦しんだ痛みはどこかに消え去り、1個の座薬と3錠の飲み薬を投与してもらい、あっけない結末を土産にエンジンのキィーを回した。診察・薬代1850円なり。

帰宅すると、約2時間の診察時間はさすがに心配になったらしく、妻の声がいつに無くやさしかった。正直、このままずっと続けばいいと思った。

病状と元気な言葉を聞いて、妻はしばらくして豹変した。

「午後から買い物に行くから運転して。晩御飯はカレー鍋!」

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